南米からのメール

日本の企業で働いている南アメリカ出身のあるエンジニアは毎週何度か母国の母親にメールを送っている。最初の頃は電話をかけていたのが途中からメールに変わった。別に国際電話の代金が気になったからではない。

母親から「電話だとその時の声だけで終わってしまうから寂しい」と言われたためだ。確かに電話だとリアルタイムで話をすることができる代わりにその時だけで終わってしまう。一方、手紙やメールなら後で読み返すことができる。本当は手書きの手紙の方が味があって一番なのだが母国の郵便事情が悪く、配達に何週間もかかってしまったり送った手紙がなくなってしまうこともあるのでメールを使っている。

メールの内容は職場でのできごとや日本の生活のことなど他愛のないものだ。それでも自分の思ったことや写真を遠く離れた母に即座に送れるのはメールというIT技術のおかげである。このエンジニアの母国でのIT機器の普及率は高い方ではないが、都市部のインターネット回線はだいたい普及しており、パソコンさえあれば世界中とやりとりができる。海外ではこの国のように郵便事情が悪いためにかえって電子メールが使われている国も少なくない。

彼の母親も遠く国境を越えて暮らしている息子とメールのやり取りをするために頑張ってパソコンの使い方を覚えたそうだ。それでも時には電話をすることもある。仕事が忙しいのか、しばらく息子からのメールが届かない時にはどうしたのかと電話で催促してくるそうである。

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